聴音は、ピアノなどで弾かれた音楽を聴いて、五線に書き取る課題です。入試では同じ課題が何回か弾かれ、そのあいだに書き進める形が一般的です。
聴音の練習のしかた
聴き分けを試す(5問)
音を聴いて答えを選ぶと、正解と解説が表示されます。音程は、2つの音を順に鳴らしてから同時に鳴らします。
2つの音の音程は?
正解: 長3度
ドとミ、半音4つぶん離れた長3度です。明るく安定した響きで、長三和音の下半分にあたります。
2つの音の音程は?
正解: 短3度
ラとド、半音3つぶんの短3度です。長3度より少し暗く、短三和音の下半分にあたります。
2つの音の音程は?
正解: 完全4度
レとソ、半音5つぶんの完全4度です。空いた、澄んだ響き。3度と取り違えやすいので、続けて聴き比べましょう。
この和音の種類は?
正解: 長三和音
ド・ミ・ソ。根音の上に長3度と完全5度を積んだ長三和音で、明るく落ち着いた響きです。
この和音の種類は?
正解: 短三和音
ラ・ド・ミ。根音の上の3度が短3度になった短三和音で、暗く柔らかな響きです。
書き取りを試す(2小節)
ハ長調・4分の4拍子。最初に主和音(ド・ミ・ソ)が鳴り、続いて旋律が2回流れます。聴いた旋律の楽譜を A〜C から選びます。何度聴いてもかまいません。
聴いた旋律はどれ?
A
B
C
正解: B
正解は B。ド・ミ・ソと和音の音を上がってミへ戻り、2小節目はファ・レと下りてドで終わります。A は2小節目の2つ目がミ、C は1小節目の3つ目がファで違います。1小節目は主和音(ド・ミ・ソ)の音だけでできているので、最初の和音を覚えておくと聴き分けやすくなります。
五線に自分で書いて、音ごとに採点されるのはアプリの「書き取り」です。
聴音の種類
- 単旋律——1つの声部の旋律を書き取る
- 複旋律——2つの声部(上声と下声)を同時に書き取る
- 和声(四声体)——4つの声部でできた和音の進行を書き取る
練習は、2つの音の音程や和音の種類を聴き分けるところから始めます。聴き分けが速くなると、旋律を書き取るときに「次の音はどれだけ動いたか」をすぐ判断できます。
書き取りの手順
- 弾かれる前に、調号・拍子・小節数を確かめ、小節線を先に引いておく
- 1回目は全部を書こうとせず、小節ごとのリズムと旋律のおおまかな動き(上がる・下がる・跳ぶ)をつかむ
- 2回目以降で音の高さを埋める。拍の頭の音から先に置き、あいだを埋めていく
- 分からない箇所は空けて先へ進む。止まると、その先も聴き逃す
- 最後に調に照らして見直す。導音の♯や、転調した先の臨時記号が抜けていないかを確かめる
書いた旋律を頭の中で歌ってみると、音の取り違えに気づきやすくなります。
つまずきやすいところ
- リズムが追いつかない——拍を数えながら聴き、細かい音符は「1拍にいくつ入るか」で捉える
- 3度と4度、長と短を取り違える——音程と和音の聴き分けを、短い時間で毎日繰り返す
- 臨時記号が多くて迷う——難関校の課題では、2小節ほどで転調していくものもあります。臨時記号が出たら「どの調へ動いたか」を考えると、その先の音が予想しやすくなります
- 低い声部が聴き取れない——複旋律や和声では、まず最低音(バス)だけを追って書く練習をする
練習の進め方
- 音程の聴き分け(2つの音がいくつ離れているか)
- 和音の聴き分け(長三和音・短三和音・七の和音など)
- 短い旋律(2〜4小節)の書き取り
- 8小節ほどの旋律、臨時記号や転調を含む旋律
- 複旋律・和声
どの段階でも、毎日少しずつ続けるのがいちばんの近道です。
ピアノの音: "YDP Grand Piano" by roberto@zenvoid.org (FreePats)。CC BY 3.0(https://creativecommons.org/licenses/by/3.0/)。縮小・再サンプリングの改変あり。